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病気、体調不良と死

 私たちがしばしば"自分である"と考えているものは、実際には普通の意味では”自分ではない”有機体からできています。つまり人間の体は何億もの微生物を内側に取り込んでいるのです。人間の体の中にある人間のものではない細胞は、健康な大人にある人間の細胞の数に対して10:1の割合だと見積もられています。500以上の異なる種のバクテリアが私たちの体の中にいて、それらのバクテリアは100兆の細胞からなりたっています。私たち人間の体はわずか数兆の細胞からなりたっていることから、私たちは数で圧倒されており、”他者”に取り囲まれているのです。これらの微生物は私たちの全体的な健康もしくは不健康をもたらす免疫システムと直接関係し合っています。

 私たちは、自分たちの健康を損ねた状態、病気、そして死は私たちがさらされている外界に原因がある個別の経験であると信じ込まされてきました。でも実際は病気や死は体の内側のバクテリアなどを含む生態系の不調和とそして不安や休息の欠如の感覚を作り出す周囲のより大きな世界との関係性を失っている状態なのであり、それが病気や死と呼ばれるものなのです。治療としての新しいアプローチは”自己”と”他者”の区別の混乱、加えて私たちを含めた全存在が結び付けられている存在の網の目に対する役割と責任に向けられなければなりません。このアプローチは人間の体の病気や死を、私たちが自分たちの体と称している体内の微生物の集団全体の状態と、彼らと私たちの外的環境との相互作用と関連づけるでしょう。それをGreen Medicine Movementと呼ぶことも出来ますし、ヨーガと呼ぶことも出来ます。

 私たちの免疫システムが”自己”と”他者”が判らなくなってしまう時、私たちの身体を成す人間の細胞が間違って自分に対する侵略者と見なされてしまいます。でも私たちが侵略者であるのか、彼らがそうであるのかは真の問題ではありません。自己免疫の異常は現代的な疾病であり、どのようにして健康であるかという問題なのです。

 自己免疫の働きをとめることはできません。ストレスが症状を悪化させることは知られています。自己免疫の病気の治療のほとんどは症状の重さを軽減し、またホルモン腺が壊れている場合は失われたホルモンを代替することを目指しています。もし自己免疫が異常に活発になっているなら、免疫抑制剤が処方されます。自己免疫の病気に苦しんでいる人々のほぼ半数が、自然発生的な一時的治癒の時期があることを経験しています。一時的な治癒の間は治療は必要ありませんが、でも目に見えない体調へと変わります。

 私たちは皆、自己と他者の区別について混乱しています。それがバクテリア、あるいは神について話しているのであれ、自分との関わりにおいてです。ヨーガはこの混乱にたいして直接的に、そして実践的に取り組みます。このアプローチはあなたが”自分”というバスのドライバー席に座っているという経験をすることができるという意味で実践的です。ヨーガの実践は肉体と心という乗り物のあらゆる面の調和を取り直します。ヴィーガンの食生活は私たちを育むこの世界との健康的で持続的な交流をもたらします。自己/他者の混乱があるから、全ての他者を葬ろうとするのです。私たちが、自分の存在を脅かすと見なす全ての他者を排除し殺そうとあがくことをやめる時、私たちは全てを”大いなる自己”として受け入れ、そして病気と死は克服されるのです。”他者達”とはあなたのことなのです。自分に尋ねてごらんなさい、”誰が病気なのか?”、”誰が死ぬのか?”、”私は誰なのか?”。シンプルな答えは”I AM(真なる自己/大いなる自己)”です。そしてそれはあらゆる存在から成る宇宙的なコミュニティの経験(肉体と心の中にありながら、肉体と心を超えた)からもたらされる真の治療の始まりなのです。

Dvid Life
日本語訳 AKKIE