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ひとつの仕事

もしあなたが瞑想することもできないならば、
私の成すことを思い、そしてあなたの成すことを
私のためにするならば、あなたは必ず悟りを得るだろう。(バガヴァッド・ギータ第12章第10節)

 私たちがこの生において本当に成すべきことはひとつしかありません。それは神を見出すと言うことです。 神は私たちそれぞれの内にいましますから、もし私たちが探し求めているものを見出したいのなら、私たちはできるだけ速やかに内面へと至らなければなりません。 安全なところへ逃げること、慰めを見出すこと、それらはいつもあなたの内側にあるのです。 それらを見出そうとあなたの外側を探し回ることにあまり時間を費やしてはいけません。 私たちが失ってしまったと思っている価値のあること、大切なことは、私たちが一番ありそうもないと思っている場所、最後に探そうと思っている場所で見つかるものなのです。

 嵐が迫ってきています。それはすでに猛威を振るっていることでしょう。そしてあなたはそのことに気付いていないか、あるいはあなたは嵐が起きていることに気付いているけど、それは天気みたいなもので、あなたも含めて誰もが何も出来ないと思ってさえいるかもしれません。それがまさにあなたに起きることだとしたら?世界があなたにふりかかり、あなたは周囲の状況のおとなしい犠牲者として、時には幸運で、時には不運であることでしょう。 楽観的な人びとが、愛と平和が世界を救うと言うのを聞いたことがあるでしょう。 でも、世界はあまりな混乱状態にあります。室内で、お茶を手に火のそばに居心地良く座る前に、私たちの誰もが暴力、悲惨、そして不公平に対して先ず、何か”行動”すべきではないでしょうか。

 あなたが(外界で)認知する全てのことは、あなたの内面からの投影なのです。もしあなたが外界で認知する物が好きではないのであれば、それを変える最も良い方法はあなたの内面を変えることなのです。
もしあなたが穏やかな場所に居たいのであれば、あなたが穏やかな人にならなければなりません。ひとにそれを期待する前に。ひとたびあなたが内面の穏やかさ-内面にある喜びを見いだしたなら、あなたはそれをスピリチュアルな活動によって平穏さを世界に移すことが出来るのです。あなたは世界と他の存在に見いだしたいものを形作るのです。神は内面の平穏と喜びのみなもとです。喜びは神の本質です。そしてあなたと神はひとつなのです。(それこそヨガの意味するところです。)あなたが穏やかな内面の本質から行動するなら、穏やかさを世界の本質として見いだすことが出来るでしょう。他の人を責めることを止め、他の人に怒ったり、性急に判断したり、心乱されないようにして、代わりに内面の喜びを大きくする方法を見つけましょう。そうではなく、もしあなたが神(平穏、愛、幸せ、喜び)を自分の外側に求め、また物質に幸せと満足を求め、周りの状況と他の人々はあなたとは別に切り離されたものであるなら、あなたは結局、でも必ず、失望し、幻滅し、ひねくれさえするでしょう。そうなったら、あなたは生への信頼を失い、生は何の意味も無くて永遠の幸せはありえず、喜びは見つからないものだと思うことでしょう。

 暴力的な嵐はしばしば人をして安全な場所を求めさせます。沢山の人々が愛するものの死や深刻な病気という心に深く傷を負うような体験によって、不可思議で超越的な認識に導かれ、自己の内面へ向かい、そして生の目的を見直すようにうながされています。

 さて、それではあなたが直面する状況によって、内面へ向かうことの重要性を確信したとして、でもどうやって?どうやって”内面へ向かう”ことができるのでしょう?パタンジャリ師がおっしゃるには、全てを投げ出して神に身をゆだねなさい。(ヨーガ・スートラ第1章第23節)でもそれは私たちをスタート地点に連れ戻してしまいます。なぜなら神を見いだす方法が分からないからです。パタンジャリ師がお示しになった方法では、瞑想こそが内なる真なる自己を見いだす方法です。バガヴァッド・ギータではクリシュナが同じことをおっしゃっています。でも仮に、子供達が居て、仕事があるようなやるべきことが沢山ある人は何も得ること無く、幸せになることも出来ない運命なのでしょうか。他に出来ることは無いのでしょうか?あります!クリシュナはおっしゃっています。”あなたがなすべきことをなし、でもその間私を思い浮かべていなさい”。あなたが過ごす日々を一時のスピリチュアルな活動と他の日常的な仕事や楽しみに分ける必要は無いのです。神を心に抱いていれば、あなたの生の全て、全ての瞬間をスピリチュアルな練習にすることが出来るのです。

 私は以前、ラジオでアリス・コルトレーン、彼女のスピリチュアルネームで言えばスワミ・トゥリヤサンギタナンダのインタビューを聞いたことがあります。そのインタビューは彼女の実りの多い音楽的な業績と彼女が成し遂げたレコーディングのリスト、そして過去に行われたあるいはこれから行われる予定の演奏、それと同じくらい彼女が書いた最近の著作について尋ねていました。インタビュワーは尋ねました。”あなたはとてもお忙しいですね。どうやって沢山のことを同時におこない、そしてやり遂げたのですか?”。アリスは彼女の独特なゆったりとした穏やかな声で答えました。”わたしはたった一つの仕事しかしていないわ。それは神に至るということなの。それがフルタイムの仕事なのよ。”

-Sharon Gannon
日本語訳 AKKIE